要点:新卒・中途採用におけるAI面接の導入実態を、NALYSYS(レバレジーズ)とリクルートMSの一次調査データで整理します。書類選考廃止33.5%・間口拡大86.7%・AIスコア自動判定38.1%という最新データと、導入企業が次に直面する判断ポイントを解説します。
- この記事の結論
- 1. 普及状況: 数字で見るAI面接
- 2. なぜ書類選考が廃止されるのか
対象読者:設備工事会社の採用担当者・経営者
この記事の結論
AI面接は「一部の先進企業の施策」ではなく、選考設計そのものを書き換える段階に入っています。2026年2月にレバレジーズ株式会社(NALYSYS)が実施した調査では、採用課題を感じる企業の担当者1,625名のうち、書類選考の通過基準を緩和するか廃止するかに進んだ企業が合計86.7%に達しました。
本記事では、一次調査データに基づき、(1)AI面接の普及状況、(2)書類選考が廃止される理由、(3)合否判定をどう運用しているか、(4)導入企業が次に直面する判断、を整理します。
1. 普及状況: 数字で見るAI面接
| 指標 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 新卒採用でのAI面接導入率 | 17.6% | リクルート MS調査(2025) |
| 書類選考を廃止し、応募者全員がAI面接を受けられるようにした企業 | 33.5% | NALYSYS調査(2026年2月、n=1,625) |
| 書類選考の基準緩和+廃止の合計(間口拡大) | 86.7% | 同上 |
| 生成AI普及で書類選考の人物見極めが難しくなった企業 | 69.7% | 同上 |
リクルートMS調査の17.6%は「AI面接を正式に導入した企業」の率、NALYSYS調査の86.7%は「書類選考の見直しに着手・検討した企業」の率です。母体が異なるため単純比較はできませんが、「AI面接という単一ツールの普及」より一段速く、「選考フローの再設計」が進んでいることが両調査から読み取れます。
2. なぜ書類選考が廃止されるのか
NALYSYS調査によると、生成AIの普及により書類選考での人物見極めが難しくなったと答えた企業は69.7%です。応募者側でもES(エントリーシート)を生成AIで作成することが一般化し、書類の文章力と実務力が乖離しています。
ロート製薬が新卒採用の書類選考を廃止したこと(日本経済新聞2025年報道)に代表されるように、「AIが書いた書類を人間が評価する」構造は成立しにくくなり、企業は評価対象を書類から面接へ移しています。
3. 合否判定の実際: AIスコア自動判定は38.1%

導入企業の運用は次のように分布しています(NALYSYS調査)。
- AIスコアのみで自動判定: 38.1%
- ボーダーライン層を人間が動画で判定: 36.7%
- AIは参考値とし、全動画を人間が確認: 21.6%
- 合否ではなく情報収集目的: 3.6%
つまり6割超の企業は人間が最終確認に絡むハイブリッド運用です。「AIに全部任せる」のではなく、AIで間口を広げ、ボーダーラインの人間判定にリソースを集中させる設計が主流です。
導入効果の1位は「従来の書類選考基準であれば不合格にしていた層から、優秀な人材を採用できた」(62.4%)、2位「選考にかかる時間・工数の削減」(52.8%)、3位「面接官との相性に左右されない公平な評価」(37.6%)です(いずれもNALYSYS調査・2026年2月)。
4. 導入企業が次に直面する3つの判断
AI面接の導入自体は成熟しつつあります。今後の差は、導入後の設計で付きます。
- 自動判定と人間判定の境界線をどこに引くか。 38.1%の企業が全自動で運用していますが、スコアの棄却理由を説明できる設計になっているかは別問題です。候補者への選考プロセス説明義務の観点からも、判定ロジックの記録・説明設計が必要です。
- 間口を広げた分の選考後工程をどう圧縮するか。 応募者全員が面接に進むと、面接官工数は増えます。効果2位が「工数削減」(52.8%)である一方、間口拡大86.7%とは矛盾しないためには、後段の選考(最終面接・内定後フォロー)の設計がセットで必要です。
- 志望度対策。 AI面接は候補者の志望度向上に効果が薄い領域です。「今は難しいが将来的には可能」と答えた企業が53.3%にとどまり、現時点で実感しているのは33.9%です。間口を広げて母集団を増やしても、候補者側の入社意欲を上げる施策(採用ブランディング・内定後フォロー)は別途必要です。
まとめ
- 書類選考の見直し(緩和+廃止)に着手した企業は86.7%(NALYSYS、n=1,625、2026年2月)
- 背景は生成AIによる書類の信頼性低下(69.7%が人物見極め困難)
- 運用はハイブリッドが主流(6割超が人間確認を併用、全自動は38.1%)
- 導入後の勝負所は、判定境界の設計・後段工程の圧縮・志望度対策
FAQ
Q. AI面接の導入率はどのくらいですか?
新卒採用でのAI面接導入率は17.6%です(リクルートMS調査・2025)。一方、書類選考の基準緩和と廃止を合わせた間口拡大に進んだ企業は合計86.7%(NALYSYS調査・2026年2月・n=1,625)に達しています。両調査は母体が異なるため単純比較はできませんが、「AI面接という単一ツールの普及」より一段速く「選考フローの再設計」が進んでいることが両調査から読み取れます。
Q. AIスコアだけで合否を判定する企業はどのくらいですか?
AIスコアのみで自動判定する企業は38.1%です。ボーダーライン層を人間が動画で判定する企業が36.7%、AIは参考値として全動画を人間が確認する企業が21.6%、合否ではなく情報収集目的が3.6%で、6割超の企業は人間が最終確認に絡むハイブリッド運用です。「AIに全部任せる」のではなく、AIで間口を広げ、ボーダーラインの人間判定にリソースを集中させる設計が主流です。
Q. AI面接の導入効果はどこに表れますか?
効果の1位は「従来の書類選考基準であれば不合格にしていた層から、優秀な人材を採用できた」(62.4%)、2位が「選考にかかる時間・工数の削減」(52.8%)、3位が「面接官との相性に左右されない公平な評価」(37.6%)です(いずれもNALYSYS調査・2026年2月)。一方、志望度向上の実感は33.9%にとどまるため、採用ブランディング・内定後フォローなど候補者側の入社意欲を上げる施策は別途必要です。
出典
- 新卒・中途採用におけるAI面接導入に関する実態調査 — 日本の人事部(レバレジーズ株式会社NALYSYS、2026年2月13日〜16日実施、n=1,625、実査GMOリサーチ&AI)
- リクルート MS調査 プレスリリース(新卒採用AI面接導入率17.6%)
- 日本経済新聞: ロート製薬 新卒採用の書類選考廃止
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