要点:採用業務へのAI導入率は47.9%に達した一方、導入企業の約半数は「採用決定数が増えた」と実感できていません。株式会社フォワードの「AI×採用実態調査」(n=376)とNALYSYS調査の一次データから、導入と成果が連動しない3つの構造と、成果を出す企業との差分を解説します。
- この記事の結論
- 1. データの全体像
- 2. 成果につながらない3つの構造
対象読者:設備工事会社の採用担当者・経営者
この記事の結論
AI採用の「導入」と「成果」は連動していません。2025年10月にAI採用スカウト「エースジョブ」を運営する株式会社フォワードが実施した「AI×採用実態調査」(従業員50名以上の企業の採用担当・人事責任者・経営層376名)によると、採用業務へのAI導入率は47.9%に達した一方、導入企業のうち「採用決定数が増えた」と答えたのは51%です。約半数の企業は、AIを導入しても決定数が変わっていません。
本記事では、一次調査データから、導入しても成果につながらない企業に共通する3つの構造を整理します。
1. データの全体像

| 指標 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 採用業務へのAI導入率 | 47.9% | フォワード「AI×採用実態調査」(2025年10月、n=376) |
| 導入企業のうち「採用工数が削減された」 | 73% | 同上 |
| 導入企業のうち「採用決定数が増えた」 | 51% | 同上 |
| 「担当者が変わると採用が止まることがある」企業 | 63.8% | 同上 |
| 「採用ノウハウを体系的に共有できている」企業 | 56.1% | 同上 |
重要なのは、工数削減(73%)と決定数増加(51%)の22ポイントの乖離です。AIは効率化には効くが、成果(=採用決定)には自動的には効かないという構造を示しています。
2. 成果につながらない3つの構造
構造1: AI化の対象が「定型業務」に偏っている
フォワード調査によると、AIの活用領域はスカウト文面作成、スクリーニング、面接調整など定型業務が中心です。これらは工数削減には直結しますが、決定数の上限を決めるのは別の工程です。採用の成果は「母集団形成×選考精度×内定承諾率」の掛け算であり、定型業務の高速化だけでは掛け算のどこも最大化しません。
対策としては、AI化を「工数の削減」ではなく「判断業務への再投資」に回す設計が必要です。例えばスクリーニングのAI化で浮いた時間を、ボーダーライン候補者の動画確認や候補者フォローに再配分するなど、工数削減と成果工程の接続を明示します。
構造2: 属人化がAI化されていない
フォワード調査で63.8%の企業が「担当者が変わると採用が止まることがある」と回答し、ノウハウを体系的に共有できている企業は56.1%にとどまります。属人化された採用にAIツールを足しても、運用は個人に依存したままです。
ツール導入の順序として、まず選考基準・合否理由・母集団データを記録・共有する仕組みを作り、その上にAIを載せるのが成果企業の一般的な順序です。記録がない状態でAIを導入すると、判断基準自体がブラックボックスのまま高速化するだけになります。
構造3: 母集団の質の課題をAIが解決していない
NALYSYS調査(2026年2月、n=1,625)では採用課題の1位が「応募者数の不足」(45.2%)、NALYSYS導入企業の効果1位は「従来の基準では不合格にしていた層から優秀な人材を採用できた」(62.4%)です。つまり成果を出しているAI採用は、間口の再設計(書類選考の緩和・廃止+AI面接)とセットで導入されています。既存の母集団サイズのまま選考工程だけをAI化しても、母集団が不足していれば決定数は増えません。
3. 成果を出す企業の導入パターン
2つの調査を突き合わせると、決定数が増えている企業は次の順序で導入しています。
- 選考データの記録・共有基盤を先に作る(ノウハウ共有56.1%との差分を埋める)
- 間口を広げる(書類選考の緩和・廃止+AI面接で母集団の漏れをなくす)
- 定型業務をAI化し、浮いた工数を判断業務に再配分する
- 決定数・承諾率を指標として成果を検証する
逆に、成果につながっていない企業は「3から始めている」(定型業務だけAI化)パターンが推察されます。なお、この順序の因果は調査データからの整合性の推察であり、調査が直接検証したものではない点には留意が必要です。
まとめ
- AI導入率47.9%に対し、決定数増加は導入企業の51%(フォワード、n=376、2025年10月)
- 工数削減実感73%と決定数増加51%の乖離が、「効いていない導入」の実態
- 失敗の構造は、①AI化対象の偏り、②属人化の放置(63.8%が担当者依存)、③母集団課題の未解決
- 成果企業は「記録基盤→間口拡大→定型AI化→指標検証」の順序で導入
FAQ
Q. 採用業務へのAI導入率はどのくらいですか?
47.9%です(株式会社フォワード「AI×採用実態調査」・2025年10月・従業員50名以上の企業の採用担当・人事責任者・経営層376名)。ただし導入企業のうち「採用決定数が増えた」と答えたのは51%で、約半数の企業はAIを導入しても決定数が変わっていません。
Q. なぜAIを導入しても採用決定数が増えないのですか?
3つの構造が共通しています。①AI化の対象が定型業務に偏っている、②属人化がAI化されていない(63.8%の企業が「担当者が変わると採用が止まることがある」と回答し、ノウハウを体系的に共有できている企業は56.1%にとどまる)、③母集団の質の課題をAIが解決していない。工数削減の実感73%に対し決定数増加は51%で、22ポイントの乖離があります。AIは効率化には効くが、成果(=採用決定)には自動的には効きません。
Q. 成果を出す企業はどの順序でAIを導入していますか?
①選考データの記録・共有基盤を先に作り、②書類選考の緩和・廃止とAI面接で間口を広げ、③定型業務をAI化して浮いた工数を判断業務に再配分し、④決定数・承諾率を指標として成果を検証しています。なお、この順序の因果は調査データからの整合性の推察であり、調査が直接検証したものではありません。
出典
- AI×採用実態調査 — 株式会社フォワード(PR TIMES)(2025年10月、Surveroidパネル、n=376、従業員50名以上の企業の採用担当・人事責任者・経営層)
- 新卒・中途採用におけるAI面接導入に関する実態調査 — 日本の人事部(レバレジーズ株式会社NALYSYS、2026年2月、n=1,625)
フルスクラッチ開発との単純比較ではなく、自社標準の積算(直請・再利用前提)との比較で費用を抑える設計です。※削減率は案件の要件・既存資産の流用可否により大きく異なり、特定率を保証するものではありません。積算前提は料金シミュレーター・/price-list/の算定条件をご確認ください。自社の規模や自動化したい業務を選択するだけで、想定開発費用と手作業による工数削減効果をその場でシミュレーションできます。