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建設業就業者はどの都道府県にいるか?公的統計で見る人材プールの地理

smart_toy AIによる3行まとめ
全国の建設業就業者は10年で6.5%減少 首都圏1都3県に24.8%が集中 東北は増加し、地域で採用環境に差
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要点:総務省「都道府県データ 基礎データ」(労働力調査ベース)の建設業就業者数を、47都道府県×2010・2015・2020の3時点で整理。首都圏1都3県に24.8%が集中する一方、宮城・福島・岩手の東北3県だけが増加した構造を、設備会社の採用・外注ネットワーク設計の観点から読み解きます。

  • この記事の結論
  • 観測概要:母集団・方法・期間・限界
  • 主要数値

対象読者:設備工事会社の経営者・採用責任者

この記事の結論

建設業の就業者は首都圏1都3県に全国の24.8%が集中しています。総務省「都道府県データ基礎データ」(労働力調査に基づく都道府県別データ)の建設業就業者数を47都道府県・3時点で整理すると、次の構造が読み取れます。

  • 全国では2010年から2020年にかけて6.5%減った(447.5万人→418.4万人)。しかし減り方は一様ではなく、東北6県だけが+1.1%と増加し、特に宮城県(+11.5%)・福島県(+4.5%)が全県平均を大きく上回りました
  • トップ10県で全国の過半(52.9%)を占める。人材プールの地理的偏在は、採用の難易度・協力会社の調達価格・受注できる工事範囲を地域ごとに変えます
  • 設備工事の受け皿として全国で仕事を設計する場合、「就業者が多い県」ほど一人あたりの採用競争は激しく、「少ない県」ほど協力会社の選択肢が狭いという、逆向きの制約が同時に動きます

数値は公的統計の実値のみを使用し、設備工事区分(電気・管・消防等)の分離は統計上できないため、建設業全体の構造として読む枠組みを本記事では提供します。

観測概要:母集団・方法・期間・限界

表1: 観測概要:母集団・方法・期間・限界(項目・内容)
項目内容
出典総務省「都道府県データ 基礎データ」F労働 F2337 就業者数(建設業)(e-Stat・統計表)
統計表ID0000010106(e-Stat API 3.0・2026-09-11取得)
母集団47都道府県+全国(労働力調査に基づく都道府県別データ)
時点2010年・2015年・2020年(年度次・同系列で揃えた3時点)
集計方法e-Stat APIから都道府県別の値を取得し、系列・時点・地域を明示した上で加工(増減率は2010年を分母に算出)
限界①建設業全体の就業者であり、設備工事区分の分離は不可 ②最新時点が2020年度であり、2026年時点の構造を直接表さない ③同系列の全国値と、月次労働力調査の年平均値とは時点・推計枠が異なる場合がある

主要数値

全国の推移

表2: 全国の推移(時点・建設業就業者数(全国))
時点建設業就業者数(全国)
2010年4,474,946人
2015年4,341,338人
2020年4,184,052人

2010年→2020年の変化は-290,894人(-6.5%)の減少です。

就業者数 上位10県(2020年)

建設業就業者数の上位10県と増加した東北3県の横棒グラフ。東京31.7万人から静岡13.0万人まで続き、全国が6.5%減る中で宮城+11.5%・福島+4.5%・岩手+1.7%だけが増加

表3: 就業者数 上位10県(2020年)(順位・都道府県・就業者数(2020)・全国比)
順位都道府県就業者数(2020)全国比2010→2020
1東京都316,6057.6%-2.0%
2神奈川県271,2706.5%-6.6%
3埼玉県244,8305.9%-5.3%
4大阪府238,8225.7%-8.2%
5愛知県237,1215.7%-6.5%
6千葉県206,6984.9%-3.8%
7北海道200,2634.8%-10.2%
8福岡県178,6054.3%-2.8%
9兵庫県147,7043.5%-10.2%
10静岡県129,5383.1%-11.6%

三大圏域への集中

表4: 三大圏域への集中(圏域・就業者数(2020)・全国比)
圏域就業者数(2020)全国比
首都圏1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)1,039,403人24.8%
中部4県(愛知・静岡・岐阜・三重)499,474人11.9%
近畿4府県(大阪・兵庫・京都・奈良)482,103人11.5%

増えた県・減った県(2010→2020)

増加は上位3県すべて東北に集中しました。復興関連需要の影響が指される地域であり、全国が減る中での例外です。

表5: 増えた県・減った県(2010→2020)(方向・都道府県・2010→2020)
方向都道府県2010→2020
増加1位宮城県+11.5%
増加2位福島県+4.5%
増加3位岩手県+1.7%
減少1位愛媛県-15.0%
減少2位京都府-13.7%
減少3位新潟県-13.3%

都道府県別 就業者数の一覧(47都道府県)

表6: 都道府県別 就業者数の一覧(47都道府県)(順位・都道府県・2020年・2010年)
順位都道府県2020年2010年変化率
1東京都316,605322,941-2.0%
2神奈川県271,270290,482-6.6%
3埼玉県244,830258,660-5.3%
4大阪府238,822260,112-8.2%
5愛知県237,121253,651-6.5%
6千葉県206,698214,872-3.8%
7北海道200,263223,013-10.2%
8福岡県178,605183,705-2.8%
9兵庫県147,704164,479-10.2%
10静岡県129,538146,569-11.6%
11宮城県105,54894,638+11.5%
12新潟県102,780118,493-13.3%
13茨城県102,612107,983-5.0%
14広島県98,284103,488-5.0%
15福島県87,75584,008+4.5%
16岐阜県76,18484,542-9.9%
17長野県75,26383,923-10.3%
18岡山県66,93671,215-6.0%
19群馬県66,91571,606-6.6%
20熊本県66,64965,882+1.2%
21栃木県63,76070,492-9.6%
22京都府62,29672,202-13.7%
23鹿児島県60,26863,467-5.0%
24青森県57,11661,844-7.6%
25三重県56,63165,030-12.9%
26岩手県56,08955,170+1.7%
27山口県54,76760,763-9.9%
28沖縄県52,02253,090-2.0%
29長崎県51,03554,210-5.9%
30愛媛県47,16155,503-15.0%
31山形県46,15648,111-4.1%
32石川県45,43848,889-7.1%
33大分県45,27548,814-7.2%
34秋田県44,20148,756-9.3%
35富山県43,57550,031-12.9%
36宮崎県41,69745,554-8.5%
37滋賀県37,74541,751-9.6%
38福井県36,66838,748-5.4%
39香川県33,62637,074-9.3%
40奈良県33,28137,281-10.7%
41佐賀県32,81934,221-4.1%
42和歌山県31,88134,416-7.4%
43山梨県29,98633,399-10.2%
44島根県29,44433,711-12.7%
45徳島県25,05928,094-10.8%
46高知県25,05627,855-10.0%
47鳥取県20,61822,208-7.2%

※数値は総務省「都道府県データ基礎データ」の実値。変化率は2010年を100とした場合の2020年の相対変化。

解釈:設備会社の採用・外注設計への含意

人材プールの偏在は「採用競争」と「協力会社の選択肢」を逆向きに動かす

東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県には全国の約4分の1の建設業就業者がいます。人材プールが大きい地域では求人を出せば届く母数は多い一方、採用する設備会社・元請も密集しており、一人当たりの取り合いになります。逆に就業者が少ない県では、求人母数が小さく、協力会社の選択肢も狭まります。「採用が難しい地域」と「外注が組みにくい地域」は一致しない——この分解が、支店展開や協力会社ネットワークの設計で最初に確認すべき構造です。

東北だけが増えた例外は「需要が人を動かした」証拠

全国が6.5%減る中で宮城・福島・岩手が増加したのは、復興関連の建設需要が人材を呼び込んだ構造です(増減率は前掲の総務省データに基づく集計値)。建設業の人手は需要の地域差に応じて移動します。設備工事でも同じ原理が働くため、地域の需要見込みと人材プールの両面からエリア戦略を組む必要があります。

使い方の注意:2020年時点の構造と更新を前提にする

本系列は都道府県別の建設業就業者として最も整備された公的系列ですが、最新時点が2020年度です。2026年時点の絶対値としてではなく、「規模の順位・集中度・増減の方向」という構造の把握に使うのが妥当な範囲です。設備工事職種に絞った観測は、本サイトの100社観測シリーズ(電気156社・空調100社・消防100社)で補完しています。

よくある質問

Q. 建設業就業者数の都道府県別データはどこで確認できますか?

総務省「都道府県データ基礎データ」(e-Stat)で公表されています。本記事は同統計表(ID 0000010106)のF2337就業者数(建設業)をe-Stat APIで取得し、時点・地域を揃えて整理したものです。統計表ページから都道府県・年を選んで直接確認できます。

Q. 設備工事(電気工事・管工事など)だけの就業者数は分かりますか?

労働力調査の建設業就業者は建設業全体の区分であり、設備工事区分の分離はできません。職種・業種に絞った実態は、設備会社の採用ページ観測(本サイトの100社観測シリーズ)や賃金構造基本統計調査の職種別データ(電気工事士・施工管理など)を組み合わせて確認する形になります。

Q. 東京の建設業就業者数は何人ですか?

2020年時点で316,605人(全国比7.6%・全国1位)です。2位は神奈川県271,270人、3位は埼玉県244,830人で、1都3県を合計すると1,039,403人(全国の24.8%)になります。

参考文献・出典

  • 総務省「都道府県データ基礎データ」F労働F2337就業者数(建設業): e-Stat 統計表(0000010106)(e-Stat API 3.0経由・2026-09-11取得)
  • 集計・加工: 本記事の増減率・圏域集計は上記実値からの算術計算。取得データ(観測値・取得日時を含む)は研究基盤のデータベースに記録済み

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井上 裕太
Author

井上 裕太

代表取締役

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設備工事会社の採用・育成・Capacityを、業務設計と検証の観点から研究しています。

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