要点:中途採用の内定辞退率は2024年の9.3%から2025年は15.0%へ急上昇しました。マイナビ中途採用状況調査とリクルート就職みらい研究所の一次データで、辞退が増える構造と、設備工事会社が内定承諾率を守るための運用設計を整理します。
- この記事の結論
- 1. データで見る内定辞退の全体像
- 2. 辞退が増える3つの構造
対象読者:設備工事会社の採用担当者・経営者
この記事の結論
内定を出したのに辞退される問題は、新卒採用特有の現象ではなくなっています。マイナビ「中途採用状況調査2026年版」(2025年実績)によると、中途採用の内定辞退率は2024年の9.3%から2025年は15.0%へと、1年で5.7ポイント急上昇しました(同調査)。
内定辞退は「候補者の心変わり」ではなく、選考後の接触設計が不足している構造の問題です。本記事では、一次調査データで辞退の全体像を確認し、設備工事会社が内定承諾率を守るための運用設計を整理します。
1. データで見る内定辞退の全体像

※グラフ・数値の出典はマイナビ「中途採用状況調査2026年版」(2025年実績)。
| 調査指標・項目 | 調査年度・実績値 | 主な傾向・ポイント | 出典 |
|---|---|---|---|
| 中途採用 内定辞退率(2025年実績) | 15.0%(前年比+5.7pt) | 2024年の9.3%から急上昇し高止まり傾向 | マイナビ 中途採用状況調査2026年版 |
| 中途採用 内定辞退率の過去推移 | 2020年: 15.7% → 2022-24年: 7〜9%台 | 採用活動の活発化に伴い求職者の複数社併願が増加 | マイナビ 中途採用状況調査 |
| 参考:新卒採用 内定辞退率(2025年卒) | 63.8% | 複数内定の早期獲得が一般化し辞退率が高水準 | リクルート 就職みらい研究所 |
推移を見ると、2020年に15.7%と高水準だった辞退率は2022〜2024年に7〜9%台へ沈静化し、2025年に再び15.0%へ急騰しました。採用予定を増やす企業が増えると辞退が増える構造は、新卒(63.8%)と中途(15.0%)で絶対値が違うだけで、同じ力学が働いています。
2. 辞退が増える3つの構造
- 選考期間の長さ: 採用予定を増やした企業ほど選考が複線化し、候補者は複数社を併願します。最後に接触した企業に流れるのが内定辞退の基本パターンで、辞退の理由として「他社への入社を決めた」が常に上位です。
- 内定後の接触途絶: 内定承諾から入社までの期間、企業からの接触が少ないほど辞退が起きます。中途は入社時期の交渉が長引くケースが多く、空白期間がそのまま他社確認の時間になります。
- 入社後イメージの未確定: 応募者が持っている情報は求人票と面接だけです。現場の配置先・残業実態・教育体制が具体的に伝わっていない候補者は、内定後により確実な情報を持つ他社に流れます。
3. 承諾率を守る運用設計
設備工事会社が実行すべき運用は、特別な仕組みではなく、次の4項目を「記録して繰り返す」ことです。
- 内定〜入社までの接触計画を先に作る: 承諾日から入社日までの連絡タイミング(例: 週次の現場情報共有、現場見学会、担当者との面談)を計画として持ち、実行を記録します。
- 辞退理由を全件記録する: 辞退の連絡があった時点で理由を分類(他社決定・条件・時期・連絡不足)して蓄積します。翌年の選考設計はこの記録で決めます。原因不明の辞退は対策が立てられません。
- 内定承諾率を選考段階別に見る: 辞退は「承諾前」と「承諾後」で原因が違います。段階別に数えることで、どの工程の設計を直すべきかが分かります。
- 最終指標は承諾率ではなく定着人数: 承諾しても早期離職では採用は失敗です。採用のゴールは12か月定着人数で見るべきです(詳細は採用人数ではなく「12か月定着人数」を見るべき理由を参照)。
4. 設備工事特有の注意点
設備工事の採用では、施工管理や技能職の求人に共通して「配置先の現場が決まってから入社日を調整する」プロセスが入ります。この調整期間が候補者の併願期間と重なるため、内定承諾後の空白が他社確認に使われるリスクが一般企業より高い構造です。
対策として、現場配属の見通しを内定前に共有する(工事予定レベルでよい)、配属未定の場合は配属決定の連絡期日を約束する、といった運用が承諾後の不安を減らします。
まとめ
- 中途の内定辞退率は15.0%へ急上昇(9.3%→15.0%、出典: マイナビ2026年版)
- 辞退は心変わりではなく、選考後の接触設計の問題
- 接触計画・辞退理由の記録・段階別測定・定着指標の4点を運用に組み込む
- 設備工事は配属調整期間が辞退リスクを増やすため、内定前の現場情報共有が効く
FAQ
Q. 内定辞退率15.0%は、新卒採用の数字ですか?
いいえ。15.0%は中途採用の2025年実績です(マイナビ「中途採用状況調査2026年版」)。参考として示した新卒採用の内定辞退率は63.8%(リクルート就職みらい研究所)で、絶対値が違うだけで、採用予定を増やす企業が増えると複数社併願が増え、辞退が増えるという同じ力学が働いています。
Q. 内定承諾後に入社日までの空白で辞退されないようにするには、何から始めればよいですか?
承諾日から入社日までの接触計画を先に作り、実行を記録することです(例: 週次の現場情報共有、現場見学会、担当者との面談)。設備工事では配属調整期間が辞退リスクを増やすため、現場配属の見通しを内定前に共有し(工事予定レベルでよい)、配属未定の場合は配属決定の連絡期日を約束します。
Q. 辞退の連絡があったとき、何を記録すればよいですか?
辞退の理由を分類(他社決定・条件・時期・連絡不足)して全件記録します。原因不明の辞退は対策が立てられません。内定承諾率は選考段階別に数えてどの工程を直すべきかを判断し、最終指標は承諾率ではなく12か月定着人数で見ます。
出典
- マイナビ 中途採用状況調査2026年版(2025年実績)
- マイナビ 内定辞退率の動向(キャリアリサーチ)
- エン・ジャパン 内定辞退の原因と対策
- リクルート就職みらい研究所(2025年卒内定辞退率63.8%)
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