逆算の魔術師
「4月1日にリリースだから、逆算すると2月には開発完了だね」。
仕様も決まっていないのに、スケジュールだけが確定しています。
これはお見積りではなく、ただの「願望(Wish)」に過ぎません。
物理法則を無視したスケジュールは、必ず破綻します。
- 「土日で何とかします」が標準プロセスになっている
- 機能(Scope)を減らす交渉が一切許されない
- QA(テスト)期間がバッファとして消費され、実質ゼロになる
- 誰も実現可能だと思っていないスケジュールに全員が合意するフリをしている
無理な納期に「YES」と言うことは、プロフェッショナルな態度ではなく、共犯者の態度です。
01. 鉄の三角形(Iron Triangle)
プロジェクト管理には絶対不変の法則があります。
「品質(Quality)」「コスト(Cost)」「納期(Time)」「スコープ(Scope)」。
これらはトレードオフの関係にあります。
納期を固定し、人員(コスト)も固定し、スコープも全部盛り。
ここで犠牲になるのは、必然的に「品質」です。リリース初日からバグだらけになるのは、物理的な必然です。
計画ではない。
02. 固定すべきは納期ではない、リズムだ
アジャイル開発では「納期」よりも「リズム(イテレーション)」を重視します。
「いつ終わるか」ではなく「2週間ごとに動くものを作る」。
期限が来たら、その時点で完成している最も重要な機能だけをリリースする。
これなら、納期遅れは発生しません。スコープが調整されるだけです。
03. バッファの法則
お見積りにバッファ(予備日)を含めないのは、ブレーキのない車で峠道を走るようなものです。
「何も起きなければ間に合う」スケジュールでは、必ず問題が起きます。
クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント(CCPM)などの手法を学び、
科学的にバッファを確保してください。