Mistake #46 : Excel Database

Excelジェンガ

「とりあえずExcelで管理しよう」。
その軽い一言が、数年後、誰も触ることのできない巨大な呪いの塔を生み出します。
1つのセルを修正しただけで、全てが崩れ去る恐怖と戦いながら。

🧱 倒壊危険度診断
  • ファイル名が `顧客管理_最新_v2_確定_修正.xlsx` になっている
  • ファイルを開くのに3分以上かかり、時々「応答なし」になる
  • マクロを作った「〇〇さん」は3年前に退職しており、誰も中身を修正できない
  • 「共有ブック」機能を使って、複数人で同時編集しようとして失敗したことがある
⚠️ 警告:あなたの業務基盤は「砂上の楼閣」です。
データ破損、紛失、流出。あらゆるリスクがここ(.xlsx)に詰まっています。

01. 限界を超えた「表計算」

Output Formatted
VBA Macro Logic
Data Validations
Pivot Tables
Data Integrity
Raw Data (100k rows)

Excelは素晴らしい「表計算ソフト」ですが、最悪の「データベース」です。
10万件を超えたあたりから動作は重くなり、VLOOKUPは悲鳴を上げ始めます。
最大の問題は「データの整合性」が担保されないことです。
誰かが手入力で数値を消してしまったり、行をずらしてしまったりしても、誰も気づきません。
気づいた時には、請求書が間違った金額で発行された後です。

Excelは
「個人の道具」であって
「組織の基盤」ではない。

02. 属人化の温床

Excelマクロ(VBA)は、簡易的な自動化には便利ですが、容易に「秘伝のタレ」化します。
担当者が独自のロジックで組み上げた複雑怪奇なマクロは、仕様書もテストコードもありません。
その人がいなくなった瞬間、それは「触れてはいけない黒い箱」となります。
業務フローの変更があっても、マクロを直せないため、運用で(手作業で)カバーする羽目になります。
これはDX(デジタルトランスフォーメーション)の対極にある状態です。

03. RDBへ移行せよ

業務で使うデータは、堅牢なリレーショナルデータベース(RDB)に入れるべきです。
kintoneやSalesforceのようなノーコードツールでも構いません。
重要なのは、「データ(事実)」と「ロジック(処理)」と「ビュー(表示)」を分離すること。
ジェンガを安定したコンクリートのビルに建て替える工事は、早ければ早いほど安く済みます。

執筆:データベース信頼性エンジニア

「データは企業の血液」を守るインフラドクター。
スプレッドシート地獄からの脱出支援と、正規化されたデータ基盤構築を行う。