Excelジェンガ
「とりあえずExcelで管理しよう」。
その軽い一言が、数年後、誰も触ることのできない巨大な呪いの塔を生み出します。
1つのセルを修正しただけで、全てが崩れ去る恐怖と戦いながら。
- ファイル名が `顧客管理_最新_v2_確定_修正.xlsx` になっている
- ファイルを開くのに3分以上かかり、時々「応答なし」になる
- マクロを作った「〇〇さん」は3年前に退職しており、誰も中身を修正できない
- 「共有ブック」機能を使って、複数人で同時編集しようとして失敗したことがある
データ破損、紛失、流出。あらゆるリスクがここ(.xlsx)に詰まっています。
01. 限界を超えた「表計算」
Excelは素晴らしい「表計算ソフト」ですが、最悪の「データベース」です。
10万件を超えたあたりから動作は重くなり、VLOOKUPは悲鳴を上げ始めます。
最大の問題は「データの整合性」が担保されないことです。
誰かが手入力で数値を消してしまったり、行をずらしてしまったりしても、誰も気づきません。
気づいた時には、請求書が間違った金額で発行された後です。
「個人の道具」であって
「組織の基盤」ではない。
02. 属人化の温床
Excelマクロ(VBA)は、簡易的な自動化には便利ですが、容易に「秘伝のタレ」化します。
担当者が独自のロジックで組み上げた複雑怪奇なマクロは、仕様書もテストコードもありません。
その人がいなくなった瞬間、それは「触れてはいけない黒い箱」となります。
業務フローの変更があっても、マクロを直せないため、運用で(手作業で)カバーする羽目になります。
これはDX(デジタルトランスフォーメーション)の対極にある状態です。
03. RDBへ移行せよ
業務で使うデータは、堅牢なリレーショナルデータベース(RDB)に入れるべきです。
kintoneやSalesforceのようなノーコードツールでも構いません。
重要なのは、「データ(事実)」と「ロジック(処理)」と「ビュー(表示)」を分離すること。
ジェンガを安定したコンクリートのビルに建て替える工事は、早ければ早いほど安く済みます。