Mistake #43 : No Backup

命綱なしの綱渡り

「うちは大丈夫だろう」。
ショーの最中(本番運用中)に足を踏み外した時、下にネット(バックアップ)がなければ即死です。
観客(ユーザー)はあなたの華麗な死に様を見て、二度とチケットを買わないでしょう。

🎪 落下リスク診断
  • データベースのバックアップ設定を「デフォルト」のままにしている
  • バックアップデータからの「リストア(復旧)訓練」を一度もやったことがない
  • バックアップの保存先が、本番サーバーと同じ物理ディスクである
  • 「誤ってデータを消してしまった」という問い合わせに対応するのに1日以上かかる
⚠️ 警告:あなたは今、地上50mを命綱なしで歩いています。
突風(操作ミス)は予告なく吹きます。落ちてから叫んでも誰も助けてくれません。

01. 「バックアップ」と「復旧」は違う

🚶
NO SAFETY NET

多くの企業が「バックアップは取っています」と答えます。
しかし、「そのデータから1時間以内にサイトを復旧できますか?」と聞くと、言葉に詰まります。
バックアップファイルがあっても、戻し方が分からなかったり、ファイルが壊れていたりしたら無意味です。
シュレーディンガーの猫のように、リストアを試みるまで、バックアップが存在するかどうかは確定しないのです。

バックアップされていないデータは、
消えてもいいデータだけだ。

02. 3-2-1ルールを守る

バックアップの鉄則は「3-2-1ルール」です。
データを「3つ」持つ(オリジナル + コピー2つ)。
「2種類」の異なるメディアに保存する(HDDとクラウドなど)。
「1つ」は遠隔地(オフサイト)に置く(東京と大阪など)。
AWSならS3のクロスリージョンレプリケーションを使えば簡単です。
オフィスが火災になってもデータが生き残るように設計してください。

03. ポイント・イン・タイム・リカバリ

「昨日の夜のバックアップ」だけでは不十分です。
今日のお昼に誤操作で消してしまったデータを戻すには、「今日のお昼」の状態に戻す必要があります。
これを可能にするのがPITR(Point-in-Time Recovery)です。
データベースのトランザクションログを保存し、任意の時刻(1秒単位)の状態へ巻き戻せるようにしましょう。
これはもはや魔法ではなく、現代のシステムの標準装備です。

執筆:災害復旧(DR)チーム

「想定外」を想定内にするレジリエンスの専門家。
BCP(事業継続計画)策定から、大規模障害時の復旧指揮までを統括。