計器のないコックピット
高度も、速度も、燃料残量も分からない。
そんな飛行機に乗客を乗せて、あなたは雲の中(インターネットという荒野)を飛んでいます。
墜落したことすら、地上からの電話で知るのです。
- システム障害の第一報は、いつも「お客様からのクレーム」である
- 今、サイトに何人アクセスしているか分からない
- 「遅い」と言われても、どこの処理が遅いのか推測でしか語れない
- ログを見るためには、サーバーにSSHで入って `tail -f` するしかない
異常に気づけないということは、対応もできないということです。
01. 「死活監視」だけでは不十分
「Ping監視はしています」。それは「飛行機が存在するかどうか」を見ているだけです。
エンジン(DB)は動いているか? 客室(UI)の温度は適切か? 燃料(メモリ)は漏れていないか?
これらをリアルタイムで見られなければ、真の監視とは言えません。
CPU使用率、メモリ、ディスク、レスポンスタイム、エラー率。
これら5つの基本メーター(ゴールデンシグナル)を常に見える化してください。
改善できない。
管理もできない。
02. ユーザー体験を監視する
サーバーが正常でも、ユーザーがページを見られていなければ意味がありません。
「外形監視(Synthetic Monitoring)」を導入し、ユーザーと同じ経路でアクセスできるか自動チェックしましょう。
さらに、実際のユーザーのブラウザでの表示速度を測る「RUM(Real User Monitoring)」も必要です。
「サーバーは元気ですが、お客様は全員画面が真っ白です」という事態を防ぐためです。
03. 予兆を捉える
監視の究極の目的は、「障害が起きる前に気づく」ことです。
「ディスク容量が残り20%になった」「エラー率が普段より1%上がった」。
こうした「予兆」を検知し、自動で通知する仕組みを作れば、
墜落する前に高度を上げることができます。
真のプロフェッショナルは、事故を起こさないのではなく、事故になる前に火種を消すのです。