AIという名の
魔法の杖
「AIでなんとかなりませんか?」。
仕様もデータもないのに、AIを導入すれば魔法のように問題が解決すると信じている。
しかし、AIは魔法使いではありません。
それは「確率と統計」という、極めて現実的でシビアな数学の世界です。
- 「AI搭載」と謳うことがプロジェクトの主目的になっている
- 学習させるための「正解データ」が1件も用意されていない
- 「精度100%以外は認めない」と上司が言っている
- ルールベース(if文)で解決できることを、わざわざ機械学習でやろうとしている
AIは手段です。目的がないAI導入は、必ず失敗します。
01. Garbage In, Garbage Out
「ゴミを入れたら、ゴミが出てくる(GIGO)」。
これはデータサイエンスの鉄則です。
どんなに高性能なAIモデルを使っても、学習データが汚ければ、出力結果は汚いままです。
魔法の杖を振っても、ゴミは金貨にはなりません。
AIプロジェクトの工数の8割は「データ掃除(前処理)」であることを知ってください。
あるのは
数学と泥臭い作業だけだ。
02. ルールベースの再評価
「過去の売上から来月の予測をしたい」。
いきなりディープラーニングを使う必要はありません。
「去年の同じ月より5%増える」という単純なルール(ヒューリスティック)の方が、
高コストなAIモデルよりも精度が高いことはよくあります。
まずはシンプルなロジックで試し、それで不十分な場合のみ、AIを検討すべきです。
03. AIの役割は「補助」
AIに全責任を負わせてはいけません。
「AIがこう言ったから融資を断りました」では、説明責任を果たせません。
AIはあくまで「優秀なアドバイザー」であり、
最終決定権(Human in the Loop)は人間が持つべきです。
そう設計しないと、AIが差別的な判断をしたとき、会社は社会的な信用を失います。